同志社大学キャンパスフェスタ・プレ講演会「小惑星探査機はやぶさの旅」 2012.6.1(金)開催

Posted by on 6月 1, 2012 in 活動報告
同志社大学キャンパスフェスタ・プレ講演会「小惑星探査機はやぶさの旅」 2012.6.1(金)開催

テーマ  : 小惑星探査機 はやぶさの旅
講   師  : 土屋和雄  同志社大学理工学部教授(京都大学名誉教授)
日   時  : 平成24年6月1日(金) 18:30 ~ 19:30
場   所  : 北九州市立商工貿易会館  2階  多目的ホール
参加費 : 無料
参加者 : 208名

<土屋 和雄 教授>

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7月開催の『同志社大学キャンパスフェスタ in 北九州』のプレ講演会という位置づけで、6月1日(金)に土屋和雄同志社大学理工学部教授(京都大学名誉教授)にご登壇いただき、「同志社金曜フォーラム(地域交流事業)」を開催いたしました。
土屋和雄教授は小惑星探査機「はやぶさ」プロジェクトチームのメンバーで、リーダーの川口淳一郎宇宙航空研究開発機構教授、産業界代表の萩野慎二氏(NEC宇宙システム事業部)と共に学術界代表として「朝日賞」を受賞され、プロジェクトではイトカワのサンプル採取法等を担当されました。

 「はやぶさ」の打ち上げは2003年5月9日であるが、その計画は既に20年ほど前から練られており、当時の研究者の「太陽系が誕生した頃の物質を調べたい」「小惑星へ行ってサンプル(試料)を地球に持ち帰りたい」の熱い想いがスタートとのこと。
スライドを交えながら、宇宙科学研究所、太陽系の誕生と小惑星の分布、プロジェクトスタート時の 「はやぶさ」のモデル等のご説明をいただき。
さらに動画を用いた、M-V ロケット(はやぶさ打ち上げの際のロケット)の打ち上げ、イトカワへのタッチダウン、到着後のサンプリング、地球に帰還する際の大気圏突入の様子などは非常に迫力あるものでした。
また、ロケットの速度等のデーターを採るためにペンシルロケットを水平に飛ばす実験を行ったとか、サンプリングの方法を公募でも行ったとか、非常に意外性があり興味をそそられる話も出てまいりました。

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 「はやぶさ」プロジェクトも決して順風満帆ではなく、岩石採取のための弾丸が発射されなかったり、1ヵ月半ほど通信が途絶えて迷子になったなどのトラブルの話も紹介されました。
その時に、若い研究者達が一生懸命に解決に向けて心血を注ぐ姿を見て、「若い研究者達が成長している瞬間を感じた」と土屋教授が言われた言葉が非常に印象的でした。

 土屋教授は京都府教育委員会の「子どもの知的好奇心をくすぐる体験事業」の一環として、京都府内の中学・高校等を中心に講演をされており、今回の「金曜フォーラム」に参加された生徒さん達にも時おり質問をされ、優しい眼差しで「答え」を待たれるなど、アットホームの雰囲気の中でのフォーラムでもありました。
「はやぶさ」プロジェクトの立ち上げからをスライド・動画を交えて詳しくご説明いただき、プロジェクトに携わった研究者達の熱い想いなどもご紹介いただき、定刻を30分超えてしまいましたが、あっという間の1時間30分の「金曜フォーラム」となりました。

   土屋教授が最後に言われた言葉『サイエンスは究極の法則を探すこと(第一級のモノを求める)、失敗はつきもの、大事なのは その原因を追究して次に繋げること』。
次世代を担う若い人へのメッセージ(エール)でもありました。

< 土屋和雄教授を囲んでの記念写真 >

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